ノブノブ
2000年12月7日 日本人としては、椿の花はその首元からポトリと落ちるモノダぐらいの教養は欲しいもので、かく言うあたしもそのくらいの教養は持ち合わせております。それゆえ、小粋なインテリゲンツィア風立ち振る舞いもお手の物なのですが、しかし、本日の椿は紅でも白でもなくスチール製。なんともメタリックな彼ですが、一般的にはドアノブなんて呼ばれたりしています。
そして、本日はトイレに入って「ふぅ」なんて一息ついた後にそいつが「ポトリ」なんて音を立てやがったわけですから、タイルの上のメタリックな彼を取り上げて数秒後、「トイレに閉じこめられた」という状況を理解したあたしの頭をグルグル廻る考えと言えば「助けを呼ぶ」。これだけです。一人暮らしのオトコが誰もいない部屋に向かって叫ぶサマのなんともエレガントなこと。
ダシテー、ダシテー、ダシテー。
ダシテー、ダシテー、ダシテー。
ただひたすらに15分間の涙の訴え。消防隊もレスキュー隊も現れないことに怒りと安堵を覚えながら、換気窓から外に出たあたしの目に映った隣人は、ステキな笑顔を浮かべてこう言ってくれました。
「玄関のカギ、閉まってたぞ」
あー、あー、あー。
そして、本日はトイレに入って「ふぅ」なんて一息ついた後にそいつが「ポトリ」なんて音を立てやがったわけですから、タイルの上のメタリックな彼を取り上げて数秒後、「トイレに閉じこめられた」という状況を理解したあたしの頭をグルグル廻る考えと言えば「助けを呼ぶ」。これだけです。一人暮らしのオトコが誰もいない部屋に向かって叫ぶサマのなんともエレガントなこと。
ダシテー、ダシテー、ダシテー。
ダシテー、ダシテー、ダシテー。
ただひたすらに15分間の涙の訴え。消防隊もレスキュー隊も現れないことに怒りと安堵を覚えながら、換気窓から外に出たあたしの目に映った隣人は、ステキな笑顔を浮かべてこう言ってくれました。
「玄関のカギ、閉まってたぞ」
あー、あー、あー。
こどもよこども
2000年12月5日 今日、ご飯を買いに表へ出たら、こどもがチャリンコに乗って遊んでいました。しかも大声あげてこんなこと言ってます。
「ねぇ大ちゃん、ラブホテルってホントにあるの?」
「あるって。オレ知ってるモン。」
言ってやりたかったです。教えてやりたかったです。でも、大ちゃんは知ってます。大人のフリして話してきかせたら大ちゃんがもっと詳しく解説なんかしたりして。大人のプライドズタズタで、放心状態のあたしはきっとこう言うです。
「ボク、大きくなったらダンプカーになる。」
ああ、すばらしき少年時代。
「ねぇ大ちゃん、ラブホテルってホントにあるの?」
「あるって。オレ知ってるモン。」
言ってやりたかったです。教えてやりたかったです。でも、大ちゃんは知ってます。大人のフリして話してきかせたら大ちゃんがもっと詳しく解説なんかしたりして。大人のプライドズタズタで、放心状態のあたしはきっとこう言うです。
「ボク、大きくなったらダンプカーになる。」
ああ、すばらしき少年時代。
みらいでんわ?
2000年12月3日 ウソじゃないんです。マジで。と何度言っても誰も信じてくれないことを、人間、一度や二度は経験してるでしょ? あたしも経験してるですよ。
しかし、それにしたって今回のはひどかった。何しろうちの近所にあるサンクスの公衆電話で電話してる男が受話器に向かって、
「たいへんだ、もう21世紀だ。来るのが遅すぎたんだ」
なんて言ってるんですよ?そりゃ何事かと思うでしょ。カーキ色のコート着てハンチング帽かぶった男が電話口で焦り気味に叫んでるんですよ。思わず近寄っていって肩越しに、
「タイムパトロールだ。観念しろっ」
とか言いたくなるじゃないですか。言わなかったけど。
しかし、それにしたって今回のはひどかった。何しろうちの近所にあるサンクスの公衆電話で電話してる男が受話器に向かって、
「たいへんだ、もう21世紀だ。来るのが遅すぎたんだ」
なんて言ってるんですよ?そりゃ何事かと思うでしょ。カーキ色のコート着てハンチング帽かぶった男が電話口で焦り気味に叫んでるんですよ。思わず近寄っていって肩越しに、
「タイムパトロールだ。観念しろっ」
とか言いたくなるじゃないですか。言わなかったけど。
海苔屋から直送
2000年12月1日 今日、あたしのメールボックスに海苔屋からe-mailが送られてきていた。どこで知ったのか知らないが、海苔屋からダイレクトeメールだ。海苔屋から。なんでも、韓国海苔を売っているらしいのだが、各御家庭に航空便で直送だそうなのだ。
そりゃ当然、ボクのアタマの中にはFedexとか描かれたジャンボが、各御家庭の前に着陸だ。ゴゴゴーっと玄関先にやってきて、ビシッときめた機長が風間杜夫顔で、海苔のカンヅメを渡すのだ。当然「海苔です」って甘い囁きも忘れないのだ。スチュワーデスとかも、「おいしいですよ」なんて微笑んでくれるのだ。楽しそう。すごく楽しそう。是非うちにも来てもらいたい。しかし、この日本の住宅事情。良識ある一般人としては、ヘリの方が現実的だと、彼らに教えて上げなければ。
そりゃ当然、ボクのアタマの中にはFedexとか描かれたジャンボが、各御家庭の前に着陸だ。ゴゴゴーっと玄関先にやってきて、ビシッときめた機長が風間杜夫顔で、海苔のカンヅメを渡すのだ。当然「海苔です」って甘い囁きも忘れないのだ。スチュワーデスとかも、「おいしいですよ」なんて微笑んでくれるのだ。楽しそう。すごく楽しそう。是非うちにも来てもらいたい。しかし、この日本の住宅事情。良識ある一般人としては、ヘリの方が現実的だと、彼らに教えて上げなければ。
彼の目的
2000年11月30日 あたしはこんなことも考えたりするのだが、たとえばモモタロウはイヌサルキジにキビ団子をあげて仲間になんかしたが、それは果たして鬼退治の手助けをさせるためだろうか?犬猿の仲と言う言葉をモモが知らなかったはずはないのだから、きっと仲間になって仲の良くなったイヌとサルにモモがガマンできるはずはないし、きっとイヌとサルにこう言うのだ。
「オマエらケンカしろよ。ホントは仲悪いんだろ?」
そして、そんなモモの変化にとまどって何もできないでいる二匹にイライラしてくると、キジのクビを掴んでこう言うに違いない。
「早くやんないと、こいつのクビ折るよ?」
もはや何がなんだか分からないイヌサルと自分が死にそうなことだけは分かるキジ。キジが「ボクのことはいいから…」というか「ボクのために…」と言うかは知らないが、もはや誰が鬼かというハナシである。
ところで、最近友人が遊びにやって来た。岡山からはるばる車を飛ばしてやってきたのだが、彼のおみやげはキビ団子だった。岡山だしフツウだと思うのだけど、彼曰く、数が少ないので配れるのは一人一個ずつらしい。
得体の知れない恐怖と共にキビ団子を食べながら思うことは、あたしがキジじゃありませんように。ってこと。
「オマエらケンカしろよ。ホントは仲悪いんだろ?」
そして、そんなモモの変化にとまどって何もできないでいる二匹にイライラしてくると、キジのクビを掴んでこう言うに違いない。
「早くやんないと、こいつのクビ折るよ?」
もはや何がなんだか分からないイヌサルと自分が死にそうなことだけは分かるキジ。キジが「ボクのことはいいから…」というか「ボクのために…」と言うかは知らないが、もはや誰が鬼かというハナシである。
ところで、最近友人が遊びにやって来た。岡山からはるばる車を飛ばしてやってきたのだが、彼のおみやげはキビ団子だった。岡山だしフツウだと思うのだけど、彼曰く、数が少ないので配れるのは一人一個ずつらしい。
得体の知れない恐怖と共にキビ団子を食べながら思うことは、あたしがキジじゃありませんように。ってこと。