水道局の人がきた。
水道料金を納めてください。との用件だったのだが、そう言われてみてここ数ヶ月水道代引き落とし用の口座に入金するのを忘れていたことに思い当たった。
もっとも本日も相変わらずの徹夜。これから寝ようという時分だったので、
「眠いので後で来い」
と言う意味のことを丁寧に主張しようと思い、しかしいきなりそう言ってしまっては身も蓋もないので、とりあえずとして「いくらですか?」とだけ聞いてみることにした。
すると水道局の人もそんなあたしの様子を察してか「面倒はごめんです」と言わんがばかりに請求書をあたしの目の前に差しだして、
「期日までにお願いします」
と言うので、渋々その紙切れを受け取ったのだが。
そこに書いてある金額を見てあたしは腰が抜けるかと思った。だってたかだか2ヶ月分の水道代なのに2万円近いのだ。
「なんだこりゃ?うちは豆腐屋か?」
思わず頭に浮かんだ言葉がそのまま口から出てきてしまう。どんなに使ったって社会人一人暮らしが2ヶ月で2万円も水道を使うワケがないだろう。
しかし、目の前の水道局員は、
「結構使いましたねー」
なんて笑っていやがるのだから事態は深刻だ。なにしろ笑ってる水道局員の顔は「だって2万円って書いてあるんだモンしょうがないじゃん」なんて言外に言っている。もしかしたら「キミんち、実は豆腐屋かもネ?」なんて思ってるかもしれない。
しかし、残念ながら我が家は豆腐屋ができるほど広くない。それ以上にごくごく一般的なアパートだ。豆腐屋なワケがない。
しかし、水道局員はなにを考えているのか「それじゃ、支払いよろしく」とばかりに帰ろうとするので、もはやあたしの脳はパニックである。
どうしたものか。どうしたものか。どうしたものかと必死に考えを巡らすが有効的な解決手段は考えつかず、思いつくものと言えば目の前の水道局員をどうにかするというあまり友好的でない手段ばかり。
幸か不幸か手に届く場所にはなぜか「棒のようなもの」が置いてあるのだが、そいつを振り下ろせば、見事人生を棒に振れる。たかだか2万円でその結末はまっぴらごめんなのである。
再び、どうしたものか、どうしたものかと考えを巡らせ過去の記憶を辿ったところ、数ヶ月前にあった別の水道局員からの申告を思い出した。それは我が家の水道には漏水のおそれがあるというと言うものだったのだが。
藁にもすがる思いで、そのことを目の前に立つ半笑いの水道局員に話したところ、
「では、調べてみます」
とだけ言って立ち去った。
後から水道局に確認したところ、漏水の場合は料金が減算されるコトもあるそうで、しかも数ヶ月前に漏水のおそれがあったことは確かだとのこと。
見事減算されるか否かは今後の調査次第とのことだが、次の水道局員が来るまでには、玄関先に「なぜか」置いてある棒のようなものをどこかあたしの目に付かないところへしまわなければと、そうココロに固く誓うのである。
 
 
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