「己が尻（オノガシリ）」

この世でもっとも怖いものは何かというお話。そりゃぁ人によりけりだろうが、我が友人曰く
「己が尻」
だそうだ。「己が尻」は鏡で見ることができず、大の後にちゃんと拭けてるかどうか？ケツ毛はあるのか？あればどのように生えているのか？そして絡まっていないか？
鏡で見られない「己が尻」は想像の域を脱しないおかげで、ときどきさわさわと撫でたりしてみて、ケツ毛の有無くらいは確認できるが、それ以外はすべからく謎。
「宇宙よりも謎に満ち、広大だ！」
そう熱弁を振るっていた。「己が尻」が広大かどうかは知らないが、「はい見てください」とケツをご披露できないのだから、確かに謎ではあるし、しかしときどき裸になる動物としては、見えてしまうものが見えない現実はちょっとだけ恐怖だ。
もっとも「己が尻」以外に恐怖するものがないのか？と逆に恐ろしくはなるが。
　
　
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