大会の心意気

2001年8月25日
 8月も後半。暦の上ではそろそろ夏が終わる。暑かったり寒かったり世界陸上だったり世界水泳だったり。今年の夏はイロイロあった。岡山から友人もやってきた。件のモモタロウなのだが、ドライブの道すがらこんなコトを言っていた。
「昔、うちの寮の旅行大会でさー」
 なかなか趣深い発言ではないか。「旅行大会」とはそうそう聞く言葉ではない。むしろ旅行に「大会」がつくのかどうかも疑問だ。しかし、当の発言主はさも当然の顔をしている。放っておけば他にも大会がついたものが出てきたことだろう。「イベントはすなわち大会」くらいのコトはサラリと言ってのけそうなモノだ。
 ところで、あたしも齢25。気がつけば昨今「大会」というコトバからずいぶん疎遠になったモノだと思う。最後に大会に参加したのはいつのことか。元来群れてなにかを競うということがほとんどなかったものだから、無理矢理競わされた中学時代あたりが最後ではないだろうか。その名も全国中学校野球選手権大会。こうして書くと長い名前が大変権威的でイヤなカンジだ。
 そして、調べてみれば世界陸上や世界水泳も「世界陸上競技選手権大会」「世界水泳選手権大会」。ちゃんと長い名前をお持ちで、やはりイヤなカンジなのだが、TVCMでは「世界陸上」「世界水泳」とばかり聞こえて「選手権大会」はどこかへ消えてしまっていたようだ。やはりこの「イヤなカンジ」があるので「選手権大会」は闇に葬られたのだろうか。明るくハツラツ・サワヤカで且つ楽しさを求めるならば権威的でイヤなカンジの「選手権大会」は不要なのだろうか。
 旅行大会の一件でも件の岡山の友人は「寮の気のおけない方々と参る旅行は戦いそのものなので『大会』は外せない」と言っていた。なるほど。「大会」が戦い競う意志の現れであれば「世界陸上」なんて腑抜けた省略をしたマスコミはきっとなにもわかってないに違いない。「世界」や「陸上」を外しても「選手権大会」は残すべきなのだ。テレビを付けてトラックが映れば陸上、プールが映れば水泳。TVCMでは「選手権大会!選手権大会!」と連呼。旅行会社にもその心意気を汲んで観光旅行に「大会」付きでCMをうっていただきたい。「大会」で溢れた日本はきっとやる気とイキオイに充ちたすばらしい国になるに違いないのだ。
 もっとも、「慰安旅行大会」などはかなり考え物だと思うのだが。
 
 
 

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