艦長と永田町は似ていない その3
2001年6月23日 さて、永田町社会科見学編も今回で最終回。そしてトリを飾るのは、あろうコトか新宿の居酒屋での大問題。永田町でも何でもないが、その前にまだまだ続く永田町徘徊。自民党本部に立ち寄ったもう一つの理由を切々と語らなければなるまい。それは溜池山王の小さな個人商店から始まるのだが。
主な原因は、艦長よりも先にあたしが根を上げたコトだった。何しろ猛暑の中、坂の上り下りであたし達はのどが渇いていたのだ。だから目に付いた個人商店の軒先でアイスを売っていればすかさず所望しようと言うものである。そしてモナカアイスを囓りながら歩けば、上り下りなんてどうってコトはないのだ。
ないのだが、しかし食べ終わって数分もせずに襲ってくるだろうのどの渇きにまでは考えが至らなかった。そうなのだ。のどが渇いたからといって、アイスなんぞ食べてはまるで逆効果だ。ジリジリとあたし達を責める太陽光線はメラニン色素とかそんなのよりなにより水分を奪い、そしてあたしが再び根を上げた。
「のど渇いた」
しかし、暑いといえばいうほど暑くなるが如く、言えば言うほどのどは渇く。だからといって殊勝に黙っている艦長ののどが渇いていないかといえばそんなことはなく、ここから永田町徘徊の目的が社会科見学から水探しに変更された。まさか大都市の真ん真ん中で水を探すハメになるとは思わなかった。しかも偏屈な現代人ふたり組には来た道を戻るなんて考えはなく、この時点で議事堂とか駅とかおおよそタダで水の飲めそうな場所は無くなってしまったのだ。しかもコンビニなんて見あたらない。どちらにしろこの時点では二人して水に金を買うという選択肢を消し去ったのでコンビニが出てきてもきっと無視したに違いないが。
そんなこんなで、ふらりふらりと溜池山王界隈を後にして再び永田町駅付近へ。目指すは国会図書館か自民党本部である。国会図書館なら間違いなく水を飲める場所はあるだろうし、自民党本部もポスター買いがてら水くらい飲めるだろうと考えたのだ。
しかし、その考えが甘いことをすぐに思い知らされた。何しろ観覧用のバッジを胸に、まんまと自民党本部に侵入したあたし達を待っていたのは、「飲食はあちらで可能ですよ」と言ってにこやかに党本部内のレストランを示す受付嬢だったのだから。そうなのだ。そこにはちゃんと御食事が可能な施設が設置されている。きっとそこで飯を食えば党の運営資金に回されるに違いない。「最悪だ」と艦長が思ったかどうかは知らないが、少なくともあたしは思った。目の前にはトイレもあったがどうにもプライドが許さない。結局のどを潤すことは出来ず、ポスターも買わずにあたし達は党本部を後にした。もっともこのコトがポスターを買わなかった直接の要因ではないと思う。原因の一つではあるが。
そして再び冷房の効かない街中にあたし達は放り出された。次に向かうは大本命国会図書館である。そこでは間違いなく水にありつけるだろう。何しろあたしはすでに国会図書館を経験済みなのだ。艦長に向かって「大丈夫だから大船に乗ったつもりでいやがれ」なんて大見栄まで切って見せた。見せたが、この日はちょうど週のはじめ、つまり月曜日。国会図書館はお休みだった。なんてコトだろう!
しかし、そんなことでは諦めない。とりあえず図書館内に受付嬢はいたし、入り口も開いていた。するりと中に侵入し、受付嬢を無視して水のあるトコまで向かう。カンペキである。自分でも恐れ入る。しかし受付嬢はちゃんと見ていたようで、階段を下りようとしたあたし達に向かって、
「本日は休刊日なので、そこから先は立入禁止です」
と言うではないか。「そこから先?」たいへん気になる言い回しだ。「そちらは」ではなくて「そこから先」なのだ。まるで西部劇みたい。がそんなことよりもナニよりも階段を降りてすぐの水にあたし達がありつけないと言うことだけはたいへん良く理解できた。
そうなのだ。ココであてが無くなって、あとは例え一日中永田町を歩き回っても水は手に入らないだろう。そう思うと水なんてどうでも良くなってしまう。結局一日中永田町を徘徊して得られたモノはのどの渇きと政治への不信感なのだ。そして、そういったモノを語るなら居酒屋に限る。永田町から大手町、そして九段下まで歩いて、そこから地下鉄で新宿に出た。不信感とかを語って、どの渇きを癒すために。
西新宿をぶらついてビール一杯サービスのチラシにつられて入った居酒屋はビール一杯サービスしてもビクともしないくらい高くて逆にあたしがビクついてしまったが、給仕のお姉さんが吉本多香美に似ていてたいへんビックリした。カノジョのおかげでたいへん楽しくお酒は飲めたが、おかげさまで政治への不信感とかどっかにいってしまった。
渇いたのどで永田町から新宿へ。議事堂とか党本部、居酒屋とか大事なモノがいろいろわかった。そうなのだ、いつだって。あたし達にとっては政治よりも綺麗なお姉さんの方が大問題。永田町徘徊はそんな大事なことまで再確認させてくれたのだ。永田町バンザイ!
今回は長いね。二回分くらい。よくがんばった!感動した!そんな言葉が聞こえてきそう。そんな桜井シイタさんのウェブサイトへはページ左上の家マークからも行けますが、ちっこいので見逃しそうです。だからリンクも出しておきます。
主な原因は、艦長よりも先にあたしが根を上げたコトだった。何しろ猛暑の中、坂の上り下りであたし達はのどが渇いていたのだ。だから目に付いた個人商店の軒先でアイスを売っていればすかさず所望しようと言うものである。そしてモナカアイスを囓りながら歩けば、上り下りなんてどうってコトはないのだ。
ないのだが、しかし食べ終わって数分もせずに襲ってくるだろうのどの渇きにまでは考えが至らなかった。そうなのだ。のどが渇いたからといって、アイスなんぞ食べてはまるで逆効果だ。ジリジリとあたし達を責める太陽光線はメラニン色素とかそんなのよりなにより水分を奪い、そしてあたしが再び根を上げた。
「のど渇いた」
しかし、暑いといえばいうほど暑くなるが如く、言えば言うほどのどは渇く。だからといって殊勝に黙っている艦長ののどが渇いていないかといえばそんなことはなく、ここから永田町徘徊の目的が社会科見学から水探しに変更された。まさか大都市の真ん真ん中で水を探すハメになるとは思わなかった。しかも偏屈な現代人ふたり組には来た道を戻るなんて考えはなく、この時点で議事堂とか駅とかおおよそタダで水の飲めそうな場所は無くなってしまったのだ。しかもコンビニなんて見あたらない。どちらにしろこの時点では二人して水に金を買うという選択肢を消し去ったのでコンビニが出てきてもきっと無視したに違いないが。
そんなこんなで、ふらりふらりと溜池山王界隈を後にして再び永田町駅付近へ。目指すは国会図書館か自民党本部である。国会図書館なら間違いなく水を飲める場所はあるだろうし、自民党本部もポスター買いがてら水くらい飲めるだろうと考えたのだ。
しかし、その考えが甘いことをすぐに思い知らされた。何しろ観覧用のバッジを胸に、まんまと自民党本部に侵入したあたし達を待っていたのは、「飲食はあちらで可能ですよ」と言ってにこやかに党本部内のレストランを示す受付嬢だったのだから。そうなのだ。そこにはちゃんと御食事が可能な施設が設置されている。きっとそこで飯を食えば党の運営資金に回されるに違いない。「最悪だ」と艦長が思ったかどうかは知らないが、少なくともあたしは思った。目の前にはトイレもあったがどうにもプライドが許さない。結局のどを潤すことは出来ず、ポスターも買わずにあたし達は党本部を後にした。もっともこのコトがポスターを買わなかった直接の要因ではないと思う。原因の一つではあるが。
そして再び冷房の効かない街中にあたし達は放り出された。次に向かうは大本命国会図書館である。そこでは間違いなく水にありつけるだろう。何しろあたしはすでに国会図書館を経験済みなのだ。艦長に向かって「大丈夫だから大船に乗ったつもりでいやがれ」なんて大見栄まで切って見せた。見せたが、この日はちょうど週のはじめ、つまり月曜日。国会図書館はお休みだった。なんてコトだろう!
しかし、そんなことでは諦めない。とりあえず図書館内に受付嬢はいたし、入り口も開いていた。するりと中に侵入し、受付嬢を無視して水のあるトコまで向かう。カンペキである。自分でも恐れ入る。しかし受付嬢はちゃんと見ていたようで、階段を下りようとしたあたし達に向かって、
「本日は休刊日なので、そこから先は立入禁止です」
と言うではないか。「そこから先?」たいへん気になる言い回しだ。「そちらは」ではなくて「そこから先」なのだ。まるで西部劇みたい。がそんなことよりもナニよりも階段を降りてすぐの水にあたし達がありつけないと言うことだけはたいへん良く理解できた。
そうなのだ。ココであてが無くなって、あとは例え一日中永田町を歩き回っても水は手に入らないだろう。そう思うと水なんてどうでも良くなってしまう。結局一日中永田町を徘徊して得られたモノはのどの渇きと政治への不信感なのだ。そして、そういったモノを語るなら居酒屋に限る。永田町から大手町、そして九段下まで歩いて、そこから地下鉄で新宿に出た。不信感とかを語って、どの渇きを癒すために。
西新宿をぶらついてビール一杯サービスのチラシにつられて入った居酒屋はビール一杯サービスしてもビクともしないくらい高くて逆にあたしがビクついてしまったが、給仕のお姉さんが吉本多香美に似ていてたいへんビックリした。カノジョのおかげでたいへん楽しくお酒は飲めたが、おかげさまで政治への不信感とかどっかにいってしまった。
渇いたのどで永田町から新宿へ。議事堂とか党本部、居酒屋とか大事なモノがいろいろわかった。そうなのだ、いつだって。あたし達にとっては政治よりも綺麗なお姉さんの方が大問題。永田町徘徊はそんな大事なことまで再確認させてくれたのだ。永田町バンザイ!
今回は長いね。二回分くらい。よくがんばった!感動した!そんな言葉が聞こえてきそう。そんな桜井シイタさんのウェブサイトへはページ左上の家マークからも行けますが、ちっこいので見逃しそうです。だからリンクも出しておきます。
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