山手線ミスター
2001年5月31日 ゴコン、ゴコン。ゴコン、ゴコン。
まもなく3番線に〜
駅独特の音とホームに滑り込んでくる電車。耳馴染みな音を立てて扉が開く。まるでいつもと同じ風景に多少退屈を感じながらあたしは山手線に乗り込んだ。左手にファイルケース、右手に切符という出で立ちのあたしは、それらを持ったままゆるりと車内を見渡した。どこの席も中途半端に人が座り、ドア際に経つのもどうにも居心地の悪い人の少なさに、あたしは多少辟易しながらも席に腰を下ろした。
そして、暇つぶしに中吊り広告でも見ようと視線を上げたところ、一人の男性が隣の車輌からやってくるのが見えた。なぜか口の近くに手を持ってきて、忙しそうに動かしているのだが。
まさか!あたしの脳味噌は瞬間的にある可能性を導き出した。が、そんなコトあるはずがない。公衆の面前で、電車、しかも山手線という首都交通機能の中枢で、まさか「歯を磨いている」なんてそんなコト、あるはずがないのだ。が、現実は小説より奇なりである。ズンズンと近づいてくるミスターの口元、手元。目を隠したってきっと見えてしまうに違いない。
彼は間違いなく歯を磨いていたのだ。口の両端に白い泡をつけて、メントールがとても気持ちよさそうに。
結局、ミスターはうがいとか、その他歯磨きに必要な何かをすることはなく、あたしの前を通り過ぎていったのだが。電車の中で歯を磨いているオヤジを見かけた、ただそれだけの話なのだが。だからなんだと言うならば、その言葉、ゼヒあのミスターに言ってやってほしい。
電車で歯磨き。だから何なのだ!と。
まもなく3番線に〜
駅独特の音とホームに滑り込んでくる電車。耳馴染みな音を立てて扉が開く。まるでいつもと同じ風景に多少退屈を感じながらあたしは山手線に乗り込んだ。左手にファイルケース、右手に切符という出で立ちのあたしは、それらを持ったままゆるりと車内を見渡した。どこの席も中途半端に人が座り、ドア際に経つのもどうにも居心地の悪い人の少なさに、あたしは多少辟易しながらも席に腰を下ろした。
そして、暇つぶしに中吊り広告でも見ようと視線を上げたところ、一人の男性が隣の車輌からやってくるのが見えた。なぜか口の近くに手を持ってきて、忙しそうに動かしているのだが。
まさか!あたしの脳味噌は瞬間的にある可能性を導き出した。が、そんなコトあるはずがない。公衆の面前で、電車、しかも山手線という首都交通機能の中枢で、まさか「歯を磨いている」なんてそんなコト、あるはずがないのだ。が、現実は小説より奇なりである。ズンズンと近づいてくるミスターの口元、手元。目を隠したってきっと見えてしまうに違いない。
彼は間違いなく歯を磨いていたのだ。口の両端に白い泡をつけて、メントールがとても気持ちよさそうに。
結局、ミスターはうがいとか、その他歯磨きに必要な何かをすることはなく、あたしの前を通り過ぎていったのだが。電車の中で歯を磨いているオヤジを見かけた、ただそれだけの話なのだが。だからなんだと言うならば、その言葉、ゼヒあのミスターに言ってやってほしい。
電車で歯磨き。だから何なのだ!と。
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